江戸幕府が滅び、明治維新を迎えた日本。新しく発足した当時の政府では、西欧列強に負けない国力を身に着けるために殖産興業を推し進めることが急務とされ、その最重要課題として鉄道の敷設が位置づけられた。その手始めとして整備されたのは、新たな首都の東京と国際港都横浜港とを繋ぐ29kmの路線。お雇い外国人エドモント・モレル指揮のもと、わずか2年という工期で日本初の鉄道路線(現JR東海道線)が完成した。このとき開業した横浜側の駅が初代横浜駅。今の桜木町駅である。当時の駅舎は今の新南口に建っており、正面口を出るとすぐそばに駅前広場が広がっていた。その広場から関内に向かって弁天橋、大江橋の2本の橋が架けられており、駅を降りた人々はまずその橋を渡って文明開化の街へと繰り出していった。
やがて大正時代に入ると日本中に路線が拡大し、列車本数も増加。スイッチバック式だった初代横浜駅は運行に支障をきたすようになった。それを解消するため、大正4年(1915)に高島町に2代目横浜駅が開業。このときに初代横浜駅は桜木町駅と改称され、今に至っている。
・地域
横浜市中区桜木町周辺
・最寄り駅
JR根岸線・市営地下鉄ブルーライン 桜木町駅
みなとみらい線 みなとみらい駅・馬車道駅