横浜市中区山手町周辺に存在した外国人居留地。慶応3年(1867)に設置された。横浜にはそれまでも開港以来の山下外国人居留地が存在していたが、そちらは埋め立て地のためにジメジメとしていて住みごこちが悪く、住民から不満の声が上がっていた。その声を受けて拡張整備されたのがこの山手外国人居留地。山下居留地が商業と日本人との貿易の場であったのに対し、こちらは外国人らが日常生活を営む住宅地として利用された。
居留地制度は明治32年(1889)に廃止されたが、山手居留地では制度廃止後も多くの外国人が住み続けた。今でも見ることができる山手の西洋館は、こうした外国人住居の名残である。その他にも居留地時代に設置された境界石、ブラフ積み、ブラフ溝などの土木物が今も町内各地に多く現存しており、当時の雰囲気を今に伝えている。
・地域
横浜市中区山手町周辺
・最寄り駅
みなとみらい線 元町・中華街駅
JR根岸線 石川町駅 山手駅