関内・関外地域から山手地区を隔てて南側にある地域。かつては久良岐郡根岸村と称し、明治34年(1901)に横浜市へ編入された。幕末期の慶応元年(1865)には、抑圧された環境下にあった外国人居留地民の行楽地としての「外国人遊歩道」が村内に設けられ、その道中にあたる不動坂は広い海が見渡せる絶景地として多くの人が訪れた。戦後に埋め立てが進んだ結果、海は遠ざかって工場地帯に様変わりしている。
現在の根岸森林公園内に残る巨大な廃墟然の建造物は、かつてここにあった「根岸競馬場」の一等馬見所として使われていた建物。根岸競馬場は、幕末の慶応2年(1866)に日本初の常設競馬場として開場した。昭和4年(1929)には現存する一等馬見所も建設されたが、太平洋戦争の激化に伴って昭和17年(1942)に閉場。敷地は戦後アメリカ軍に接収された後、昭和56年(1981)に接収が解除されて根岸森林公園となった。
・地域
横浜市中区根岸町、磯子区滝頭周辺
・最寄り駅
JR根岸線 根岸駅、山手駅