V1197 横濱今昔写真蔵
本町4丁目69番(現本町4丁目40番)。現在も伊藤忠商事や住友商事、三菱商事、丸紅とともに五大商社の一つに数えられる三井物産の創業は明治9年(1876)。居留地の外国商館に独占されていた貿易権を日本人の手に取り戻すべく、元幕臣の益田孝と元長州藩士で政治家の井上薫らによって設立された「先収会社」を前身とし、その事業に豪商三井家が合流する形で設立された。横浜には会社の創設と同時に支店を置いており、特に生糸や綿糸の輸出に力を入れていた。古写真の建物は明治19年(1886)竣工のレンガ造2階建て。明治44年(1911)になって日本大通りに新しく社屋を建てて支店を移しているが、こちらは「KN日本大通ビル」として今も現存している。その後、旧社屋は砂糖商「増田屋」として使用された後、大正12年(1923)の関東大震災で倒壊したものとみられる。
被写体:三井物産横浜支店(本町)
参考文献:横濱成功名誉鑑、関内街並復元絵図 三井物産webサイト
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