明治5年(1872)に開業した
新橋~横浜間の鉄道。
文明開化の到来を象徴した陸蒸気の痕跡は
横浜の外にも残っています。
「双頭レール」とは、レール断面の上部と下部が同じ形状のレールです。 車輪に接する面が摩耗すると、上下をひっくり返して再利用ができる仕組みでした。明治5年(1872)に新橋駅~初代横浜駅(桜木町駅)間が開業した際、最初に敷設されたのは、イギリスの「DARLINGTON IRON」社が1870年に制作した双頭レールでした。
しかし、ひっくり返した際に摩耗面を固定することが難しかったため、実際に使用されたのはわずか数年間でした。明治12年(1879)以降は、現在も広く使用されている地面に接する面が広い「平底レール」に置き換えられていきました。
大阪府のJR摂津富田駅に現存する双頭レール
撤去された後の双頭レールは、同時期に建設された駅の上屋の骨組みや、鉄道沿線の構造物などに再利用されました。中には遠く大阪や岡山まで運ばれ、今も残っているものがあります。
駅舎の建て替えなどをきっかけに発見されることもあり、薄く切断・加工して、記念品として一般に配布・販売されることもあります。
横浜から始まった日本の鉄道。その歴史を物語るレールは役目を変え、今も日本各地にその足跡を残しているのです。
横濱今昔写真蔵
茨城県の常磐線沿線にあった古い橋脚を取り壊した際に発見された、新橋駅~横浜駅(桜木町駅)間で使用されたと推定される双頭レールです。
薄く切断・加工された後、水戸鉄道管理局(後 JR東日本水戸支社)によって昭和60年(1985)に一般販売されました。
側面
ケースの説明
長年屋外にあったことによる風化のせいか、本来の大きさよりも一回り小さくなっているようです。
初代横浜駅舎の跡に建つCIAL桜木町アネックス内「旧横ギャラリー」に保存。新橋~初代横浜駅間を走った110号機関車が保存されていますが、その機関車が乗っているのが双頭レールです。
新潟県の柏崎製油所に残っていたものを移設したとのことです。
昭和42年(1967)に設置された記念碑。昭和63年(1988)に現在の位置に移設されました。三隅の柱に双頭レールが用いられています。
店内のテーブルと床に双頭レールが埋め込まれています。
桜木町駅南改札外にある歴史商会コーナーに双頭レールが展示されています。