V1159 横濱今昔写真蔵
弁天橋は、現在の桜木町駅新南口前に架かる橋。明治4年(1871)に初めて架橋され、翌年明治5年(1872)に新橋~横浜間の鉄道開通に伴って初代横浜駅(現 桜木町駅)が開業してからは、駅前と関内地区の幹線道路である本町通りとを結ぶ主要な交通路として多くの人に利用された。みなとみらいや横浜駅西口などがまだ存在しなかった時代、当時の中心市街地である関内に繋がるこの弁天橋こそが横浜の玄関口であった。
古写真に写る橋は、明治41年(1908)に架け直された2代目のもの。渡った先左側の建物は「横浜銀行集会所」である。その向かい側は「上州屋旅館」。横浜港を発つ旅人たちに利用された。本町通りの奥には、本町5丁目の「第一銀行横浜支店」が見える。どの建物も今は現存ぜず、弁天橋は昭和51年(1976)に架け直された4代目に変わり、横浜銀行集会所が建っていた場所には、令和2年(2020)に関内駅前から移転された横浜市役所の庁舎が聳えている。
被写体:弁天橋 上州屋旅館 横浜銀行集会所 第一銀行横浜支店 原合名会社
参考文献:関内街並復元絵図、横濱社会辞彙
ワンポイント:桜木町駅から関内方面へ出かける際は、ぜひ新南口から駅を出て、明治時代の横浜に来たことを想像しながら弁天橋を渡ってみてほしい。