V1210 横濱社会辞彙
本町2丁目21番(現本町2丁目20番)。三井住友銀行の前身にあたる「三井銀行」は、明治9年(1876)に日本初の私立銀行として設立された銀行である。その起源を辿ればさらに遡り、江戸時代中期の天和3年(1683)に三井高利が開業した越後屋の両替商が源流となる。また、開港後の横浜市街で最初期に開設された金融機関でもあり、開港と同年の安政6年(1859)には本町4丁目の角に両替所が置かれている。それが明治3年(1870)に元浜町に移った後、明治17年(1884)に本町4丁目へと落ち着いた。古写真の建物はそのとき竣工したもの。大正12年(1923)に発生した関東大震災で倒壊したものの、昭和6年(1931)に再建された建物は、戦後になって三井銀行が太陽神戸三井銀行⇒さくら銀行⇒三井住友銀行へと改編が繰り返される中にあっても大切に使用され続け、今では横浜市街に残る戦前銀行建築の中で唯一、現役の銀行支店として使用されている貴重な建物になっている。
被写体:三井銀行横浜支店
参考文献:横濱社会辞彙、三井住友銀行webサイト
ワンポイント: