A3150 横濱今昔写真蔵
伊勢佐木町3丁目から2丁目の街並みを望む。横切る道路は現在の横浜駅根岸道路。右方が打越・根岸方面、左方が野毛・戸部方面へと至る。中央の線路は横浜市電の長者町線。昭和3年(1928)開通、昭和46年(1971)に廃止されるまで続いた。左側角は明治35年(1902)創業の「伊東屋呉服店」。右角は昭和8年(1933)創業の「鈴一甘栗店」である。
伊東屋呉服店の後ろに見える看板は、活動写真館(映画館)の「横浜常設館」のものである。横浜常設館ははじめ「角力常設館」として明治42年(1909)に開館。通りから細い路地が伸びていて、そこに入ると入口があった。明治・大正期から邦画専門の活動写真館として営業していたが、当時はその館名の通り、館内に土俵を設けて角力(相撲)の興行が行われることもあった。関東大震災後の昭和8年(1930)から「横浜常設館」として営業。太平洋戦争中の昭和19年(1944)、横浜常設館の敷地が延焼防止滞としての疎開地に指定され、それに伴って閉館した。
通り右側にも活動写真館の「電気館」が写っている。こちらも明治42年(1909)開館。それまで営業していた勧工場の「東洋館」を改築して営業していた。関東大震災後も建物を再建して営業を続けたが、昭和20年(1945)頃閉館した。
被写体:横浜常設館(角力常設館)、伊東屋、鈴一、弘集堂書店、電気館
参考文献:地図で楽しむ横浜の近代、中区わが街、ハマの建物探検、モダン横濱案内、横浜市商工案内、横浜中区史、横浜・港・近代建築、横浜都市発展記念館
ワンポイント:
横浜常設館(旧角力常設館)
電気館
横浜常設館跡地
黒い建物が路地跡か